シマウマの「しま模様」はどのようにしてできる?
シマウマの象徴である黒と白のしま模様。シマウマにしま模様がある理由には,「しま模様が虫を寄せ付けないため」,「しま模様によって空気の流れを発生させ,体温を下げるため」,「シマウマが個体を見分けるため」,「しま模様が草原でカモフラージュになるため」,「群れることで,捕食者を惑わすことができるため」などの仮説があります。このしま模様は,遺伝子によって決まる形質です。遺伝子が,体表の色素細胞の活性を制御することで模様が作られます。

この模様が現れるのは,胎児の時期です。遺伝子に従い,将来,体表の色素細胞が活性化する場所(黒くなる領域)がいったん均一な間隔で帯状に配置されると考えられています。この帯状の配置が起こるタイミングが種によって異なるため,シマウマの種類によってしまの太さや形に違いが生まれると考えられています。
例えば,グレビ―シマウマは,胚発生の比較的遅い段階で帯状の配置が形成されるため細いしまになりますが,バーチェルシマウマは,より早い段階で形成されるため太いしまになる傾向があると説明できます。
また,同じ種でもしま模様には個体差があります。これは遺伝子だけではなく,細胞間の相互作用による偶然性などが関与しているためです。
しま模様と遺伝的多様性
シマウマのしま模様は,個体差があるだけでなく,その集団の遺伝的な健康状態とも深く関係しています。
通常とは異なるしま模様(まだら模様や,黒っぽい体色など)をもつシマウマは,近親交配が進んでいる集団によく見られます。通常とは異なる模様をもつシマウマは,捕食者から狙われやすくなるなど,生き残りに不利な特徴を持っていると考えられています。また,近親交配が続くと,集団内の遺伝的多様性が低下し,病気や環境の変化に適応する力が弱くなります。このように,遺伝的多様性の低下は,個体が生き残る可能性を低くさせてしまうのです。
【参考資料】
- Larison, Brenda. “Population structure, inbreeding and stripe pattern abnormalities in plains zebras”Mol Ecol. 2021 Jan;30(2):379-390. doi: 10.1111/mec.15728.
