【進化でつながるヒトと世界】どうしてヒトは食べないと生きられないのか

 なぜヒトは食べる必要があるの?

ヒトは生命活動に使うエネルギーを,呼吸や解糖を行うことで有機物から取り出して使っている。ヒトはエネルギー源となる有機物を外部に依存している従属栄養生物なので,外部から有機物を食物として取り入れる必要がある。

 植物はどのようにエネルギーを得ている?

植物は,光エネルギーを使って無機物から有機物をつくり,呼吸によってその有機物からエネルギーを取り出して生命活動を行っている。光エネルギーを使って無機物から有機物をつくる働きを光合成という。光合成は葉緑体で行われる。

 細胞の進化

有機物からエネルギーを取り出す反応(呼吸)は,主にミトコンドリアで行われる。

真核生物がもつミトコンドリアは呼吸を行う細菌(好気性細菌),葉緑体はシアノバクテリアが細胞内共生したものだと考えられている。葉緑体は植物と一部の原生生物しかもたないが,ミトコンドリアは動物,植物,菌類,原生生物のほとんどがもっている。このことから,ミトコンドリアは真核生物の共通祖先が細胞内共生で獲得し,その後,シアノバクテリアを細胞内共生させて葉緑体を獲得した生物が植物などになったと考えられている。

キーワード

#細胞内共生

ある細胞の内部に別の生物の細胞が入り込んで共生すること。細胞内共生は,真核生物の進化の過程で複数回起こっている。

#共通性

生物間で特徴が共通していること。生物に共通する特徴から,その生物の進化の道筋を考えることができる。