ミツバチとは
ミツバチとはミツバチ科ミツバチ属のハチで,世界では9種しか存在しません。日本では,日本にもともと生息しているニホンミツバチと,養蜂(ようほう)のために海外から持ち込まれたセイヨウミツバチが見られます。ミツバチは,花から集める花蜜(かみつ)と花粉だけを食べて生きています。エネルギー源となる糖質は花蜜から,それ以外のすべての栄養素は花粉から得ています。
ミツバチは,自分が食べるだけでなく巣で暮らす仲間や幼虫のために,花蜜や花粉を巣に持ち帰る昆虫です。体重が100mgにも満たない小さな体で,20~40mgの花蜜と,15~30mgの花粉を運ぶことができます。
また,ミツバチは優れた学習・記憶能力を持っています。一度訪れた花の色,形,匂い,場所,開花時刻などを記憶し,次の訪問に活かしています。この能力が,効率的に蜜を集めることを可能にしているのです。

ミツバチと被子植物の共生関係
多くの被子植物は,ミツバチなどの花粉を運ぶ動物(ポリネーター)に花粉を他の個体へと運んでもらっています。花粉が他の個体のめしべの柱頭に付着することを他家受粉といいます。他家受粉は遺伝的多様性を高めるなどのメリットがあります。植物は,ポリネーターに花粉を付着させ,他の花へ運んでもらうための,さまざまなしくみを備えています。その代表的なものが太陽の光で作りだした糖を花蜜として提供することです。これはポリネーターのエネルギー源となります。このように,ミツバチと植物は,お互いにとって利益のある関係(相利共生)で結ばれています。
花の巧妙な進化戦略
花は,ミツバチなどの花粉を運ぶ動物(ポリネーター)を効率よく利用するために,さまざまな進化を遂げてきました。
花粉と蜜は,たくさん出せばいいというわけではありません。量を増やしても訪れるミツバチの数は少ししか増えないため,花は栄養を無駄にしないよう,少量の蜜と花粉を出す花がより多くの子孫を残しました。また,蜜が少ない分,遠くからでもポリネーターを引きつけるため,たくさんの花を密集させる戦略をとりました。特にミツバチは,花の数が多いほど訪れる数が増えることが分かっています。
さらに,花はミツバチに受粉をしてもらったら,できるだけ早く別の花に移って多くの花に受粉してもらうとより多くの子孫が残せます。そのため,花ごとに蜜の量をランダムに変えるなど,ミツバチが次々に移動したくなるような工夫もしているのです。
ほかにもいる,相利共生の生物
ホンソメワケベラとクエ,アブラムシ(アリマキ)とクロオオアリ
【参考にしたWebサイト】
- “ミツバチと花のパートナーシップ”. 一般社団法人日本養蜂協会. https://beekeeping.or.jp/honeybees/partnership/, (参照2025-08-29)
- 菊沢喜八郎. “植物と花粉媒介者(ポリネーター)” 光珠内季報, August 1992.
