フェルナンディナゾウガメとガラパゴス諸島
ガラパゴス諸島は火山活動によってできた島で,南米大陸から約1,000km離れた太平洋上に位置する,一度も大陸と陸続きになったことのない島です。大陸と陸続きになったことがないため,海を越えてたどり着いた生物が,独自の進化を遂げ,ガラパゴスゾウガメをはじめとする多くの固有種が誕生しました。フェルナンディナゾウガメは,ガラパゴスゾウガメの一種で,フェルナンディナ島に固有の種です。このゾウガメは,1906年にオス1頭が発見された記録を最後に,長らく生存が確認されず,絶滅種に分類されていました。

フェルナンディナゾウガメの再発見
2019年,フェルナンディナ島で100歳を超えると推定されるメスのゾウガメが発見されました。この個体は「フェルナンダ」と名付けられ,絶滅したと思われていた種の生存を示す貴重な発見となりました。
発見当初,フェルナンダの甲羅の形態が,1906年に採集されたフェルナンディナゾウガメのオスの標本と大きく異なっていたため,フェルナンダが本当にフェルナンディナゾウガメなのかという疑問が持ち上がりました。この疑問を解決するため,遺伝子解析が実施されました。遺伝子解析は,生物のDNAを分析し,種や個体間の遺伝的関係を明らかにする方法です。
この解析の結果,フェルナンダと1906年のオス標本のDNAは高い類似性を示し,他のガラパゴスゾウガメとは異なる固有の遺伝的特徴を持つことが確認されました。これにより,フェルナンダがフェルナンディナゾウガメであることが科学的に証明されました。
フェルナンダは生き残りとして保護され,島では新たなフェルナンディナゾウガメの探索が進められています。
