【地球にすむ多様ななかま】ヨウガンコオロギ

ヨウガンコオロギとは

ヨウガンコオロギは,ハワイ島のキラウエア火山にある溶岩流跡地にすんでいます。その体は,溶岩の色に似た光沢のある黒色で,はねはなく,驚くと大きくジャンプして逃げるのが特徴です。

過酷な溶岩の上で生きるコオロギ

溶岩の上は,生物が生きるのに非常に過酷な環境です。

  • 乾燥している:溶岩は保水能力が低く,黒い表面は太陽光を吸収しやすいため,地表は非常に乾燥しています。
  • 温度差が激しい:キラウエア火山の溶岩の上では25℃から50℃もの温度差があり,最高では60℃に達することも。日かげがないので日差しも非常に強いです。
  • 植物がない:絶え間なく新しい溶岩流が発生するため,植物が根付きにくい。

そんな過酷な場所で,ヨウガンコオロギはどうやって生きているのでしょうか?

「あえて」溶岩の上にすんでいる理由

過酷な溶岩の上は,他の生物がほとんどいません。ヨウガンコオロギは,風で運ばれてきた海の泡に含まれるタンパク質や,植物,昆虫の死骸などを食べて生きることができるので,他の生物がいなくても生きていくことができます。ヨウガンコオロギにとって,この場所は,競争相手がいない独自のすみか(ニッチ)となっていると考えることができます。ヨウガンコオロギは,植物が根付くと姿を消すことが知られていますが,その理由について詳しいことは明らかになっていません。

ほかにもいる,過酷な環境で生きる生物

ハオリムシ(深海の熱水噴出孔),サボテン(砂漠),ホッキョクグマ(北極)

【参考資料】

  • Price M. For these intrepid crickets, lava is home sweet home. Science. 2019 Mar 22;363(6433):1262. doi: 10.1126/science.363.6433.1262.
  • Howarth, F.G. “Neogeoaeolian habitats on new lava flows on Hawaii Island: An ecosystem supported by windborne debris” PACIFIC INSECTS, 16 May 1979