発展例題5 混合物の分離

次の各物質に不純物として含まれる少量の塩化ナトリウムを分離して,それぞれの物質を精製するのに最も適する方法を,下のア~エから選べ。
(1) 水
(2) ヨウ素
(3) 黒鉛
(4) 硝酸カリウム
(5) チョークの粉
ア.ろ過
イ.蒸留
ウ.再結晶
エ.昇華法

(山口県立大改)

ろ過…粒子の大きさの違いを利用。液体とその液体に溶けない物質を分ける。
蒸留…沸点の違いを利用。
再結晶…溶解度の差を利用。
昇華法…昇華しやすさを利用。

塩化ナトリウムと水の混合物を加熱すると,水は気体となり,食塩だけが残る。

ヨウ素は昇華性をもつ。昇華したヨウ素を冷やすと,結晶が得られる。

黒鉛は水に溶けにくい。混合物に水を加えると塩化ナトリウムだけが溶けるため,ろ過すると黒鉛がろ紙上に残る。

硝酸カリウムは,溶解度が温度によって大きく変化する。食塩と硝酸カリウムの混合物を熱湯に溶かしてから温度を下げていくと,硝酸カリウムが結晶として析出する。

チョークの主成分は,炭酸カルシウムまたは硫酸カルシウムであり,水に溶けにくい。混合物に水を加え,ろ過すると,炭酸カルシウムや硫酸カルシウムがろ紙上に残る。