農業技術を開発する
研究者(技術開発) 篠原信さん [農研機構]
どのような仕事ですか
農作物の病原菌を抑える研究と,新しい農業生産技術の開発をしています。
なぜこの仕事を選びましたか
自然や生き物が好きで,その研究をしたいと考えていました。 なおかつ,身近で具体的に誰かの役に立っている,と仕事に実感をもちたいと思い,農業研究者になりました。
この仕事で,やりがいを感じるときを教えてください
新しい技術の開発に成功したとき,農家の方達が喜んでくれることです。
農業は,世界中のどこにでも必ずある産業ですから,新しい技術なら,世界に貢献することになります。そんな技術を,世界で最初に自分自身の手で実現できたときは,とても大きな達成感があります。
身近な農家の方も喜んでくれて,将来にわたって役に立つのだとすれば,こんなにうれしいことはありません。
この仕事で必要な力・資格などを教えてください
農業研究者というと,一般には,「クワを振る」イメージが強く,古くさく思われ,希望者が増えない一因となっています。
しかし,農業は,生命科学の最先端という意味で医学と匹敵し,人類を養う食料生産を支える意味でこの世で最も重要な産業の1つであり,世界中どこの国でも必ず存在する普遍的産業です。ですから,求められる知識も幅広く,生命科学の他に経済学,社会学,地理学,環境科学,倫理学の要素も必要です。
ですが,もっとも大切なのは,自然と生命が好きで,それに関することならワクワクしてしまう,「好きだ」という気持ちです。「好きこそものの上手なれ」,好きな自然と生命をトコトン追求していけば,いつの間にか農業研究者にふさわしい資質が育つと思います。