理科便覧ネットワーク

部品や材料を検査する

技術者(分析) Iさん(20代) [分析会社]

どのような仕事ですか

おもに電機製品に使われる部品や材料について,でんけんきょうやさまざまなぶんせきそうを使用して,いろいろなことを調べます。

ぶんせきサンプルは,身近なでんせいひん,電車のモーターやはつでんじんこうえいせいの部品など,非常にさまざまな分野のものがあります。たいていのサンプルは非常に小さく,むし眼鏡めがねでも見えないような細かいものばかりです。

なぜこの仕事を選びましたか

現在の私の仕事道具である電子顕微鏡に興味をもったきっかけは,小さな頃に「『世の中のものは,すべて粒(げん)でできている。』というのは本当なの?」と疑問をもち,自分の目でこの「粒」を確かめたいと思ったことだと思います。

図1 干かん渉しょうされた電でん子し線せんにより原子(結晶構造をもつもの)が観察できます。

小学校や中学校で使うけんきょうでは,「粒」は見ることはできません。この粒を見るために電子顕微鏡を使える大学へ入りました。そうして,大学で身に付けた,電子顕微鏡のスキル(技術や能力)を活かせる今の仕事にきました。

この仕事で,やりがいを感じるときを教えてください

材料の細かい中身を調べる目的は,製品を開発していくときにまった場合や,しょうした原因をはっきりさせたい場合です。たとえば,パソコンや薄型テレビなどの中に入っている,とても小さな部品が問題で故障することがあります。

こういった部品を電子顕微鏡で観察・分析し,故障の原因がわかることもうれしいですが,お客様にも喜んでいただけたときには,とてもうれしいです。

また,さまざまな種類のサンプルやらいが来るので,どんなサンプルが来るかが楽しみです。

図2 0.5mmシャーペンの芯しん(HB)に,文字「Science」を彫ほてみました。

この仕事で必要な力・資格などを教えてください

理科(物理・化学)の知識はもちろん,サンプルをあつかうための手先のようさは絶対に必要です。また,依頼者から話を聞いたり,結果を報告したりするため,コミュニケーション能力も必要です。

分析装置によっては,Xエックスせんほうしゃせんや危険な薬品をとり扱うこともあるため,資格が必要なこともあります。