理科便覧ネットワーク

おもな業績

• 大たい陸りく移い動どう説せつの提てい唱しょう（1912年）　大陸は，地球の表面を移動して，そのようすを変えると考えた。

解　説

専門的に気き象しょう学がくを学び，グリーンランドで初めて，極きょく地ちの上じょう層そう大たい気きの調査を行いました。

ウェゲナーは地ち球きゅう儀ぎを見て，南北アメリカ大陸の東海岸線と，ヨーロッパ・アフリカ大陸の西海岸線がよく似ていることに疑問をもっていました。

彼は，かつて地球には単一の大陸「パンゲア」があったが，それが少しずつ分ぶん裂れつ・移動して，現在の配置になったと考えて，地質学会で発表しました。

しかし，地質学の専門家たちは，気象学者によるとっぴな珍ちん説せつを笑い，まったく相手にしませんでした。 それでもウェゲナーは，「大陸と海洋の起源について」という本を出しゅっ版ぱんしました。この本には，地ち質しつ学がく，古こ気き象しょう学がく，古こ生せい物ぶつ学がくなどの証しょう拠こが集められていました。同種の化か石せき，同種の生物や同種の地ち層そう，それに氷ひょう河がの跡などが，すべて複数の大陸にまたがって分布していることが，大陸移動説の大きな証拠になりました。

しかし，大陸を移動させる原げん動どう力りょくが，ウェゲナーにはどうしてもわかりませんでした。マントルの対たい流りゅうがその源だと判明したのは，彼の死後20年たってからのことでした。