パスカル
プロフィール
Blaise Pascal
フランス
1623年6月19日 ~ 1662年8月19日
おもな業績
- 気圧(大気圧)と高さの関係の発見(1648年) 水銀柱の高さを使って気圧をはかり,気圧と高さの関係を発見した。
解 説
パスカルは,学校で習う前に,三角形の内角の和の定理を自分で発見していたといいます。16歳のときには,円錐を切った断面にできる曲線(円錐曲線)について論文を書き,19歳のときには歯車式の計算機を発明しました。そしてサイコロ賭博の研究から,確率統計学の基礎を築きました。
1643年,イタリアのトリチェリは,一方をふさいで水銀を満たしたガラス管を,逆さまに立てたときにできる真空(トリチェリの真空)を発見しました。パスカルは,この水銀柱の高さが,空気の重さと水銀の重さとがつり合って決まることを証明しました。

パスカルの義兄ペリエは,パスカルの依頼を受けて,トリチェリの装置を山の頂上へもっていき,水銀柱の高さを測定しました。標高が上がると,大気の層はその分だけ薄くなり,気圧が低下するはずでした。実際に,山頂では,気圧の低下によって,水銀の高さが減少することが確かめられました。こうしてトリチェリの装置が気圧計として利用されるようになりました。パスカルの名は,現在,気圧の単位「Pa(パスカル)」として使われています。
また,彼は,液体の一点に加わる力は,液体のあらゆる点に伝わるという「パスカルの原理」を発見しました。現代では,この原理を利用した油圧機は,プレス機やクレーンなど,強い力を必要とする機械に応用されています。