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オーム

プロフィール

Georg Simon Ohm

ドイツ

1789年3月16日 ~ 1854年7月6日

おもな業績

  • オームの法則の発見(1826年) かいを流れるでんりゅうの大きさは,でんあつれいすることを発見した。

解 説

イギリスの化学者であるデービーは,でんぶんかいを使って,カリウムやナトリウムなどをとり出すなど,さまざまな成果をあげていました。また,電気分解のそうどうたいへいれつにつなぎ,電気分解が起こるかどうかを確かめ,どのような導体が電流をよく流すかを調べました。導体によく電流が流れるとき,電気分解装置にはあまり電流が流れず,電気分解が起こらないと考えて実験をしました。

このようにして,オームよりも前に,導体の断面積が大きいほど,また導体の長さが短いほど,よく電流を流すことを発見しました。しかし,でんげんに使ったのは,電圧の不安定なボルタのでんだったため,正確な測定がむずかしく,電圧を変化させた実験もできませんでした。

オームは,ボルタの電池の欠点をよく考えて,電源に別の装置を使って実験をしました。この装置には,熱を加える部分が2か所あり,そこに加える温度の差によって,装置から異なる電圧をとり出すことができます。温度の差を同じにすれば,とり出せる電圧も一定になります。

この装置を使うことで,安定した電圧で,導体のでんていこうをはかることが可能になりました。また,装置に加える温度の差を変えることで,電圧を変化させたとき,電流がどのように変わるかを調べられるようになりました。このようにして,導体の形による電流の流れやすさだけでなく,電流と電圧の関係(オームの法則)を導き出すことに成功したのです。

オームの発見は,当時のドイツではすぐには受け入れられませんでした。しかし,1841年になってイギリスのおうりつきょうかいがオームに賞をおくり,ドイツでもようやく認められるようになりました。

ていこうの単位「Ω(オーム)」は,オームの名前からつけられました。