中谷宇吉郎
プロフィール
なかやうきちろう
日本
1900年7月4日 ~ 1962年4月11日
おもな業績
- 人工雪の作成(1936年) 雪の結晶の研究を行い,人工雪の作成に成功した。
解 説
1932年頃から雪の結晶の研究をはじめました。まずは,さまざまな雪の結晶を観察して,それらを分類をしました。1936年には,人工雪をつくることに成功しました。
空気中の水蒸気の量と気温と,雪の結晶の形との関係を図に表した「中谷ダイヤグラム」をつくりました。 これを利用すると,降ってきた雪の結晶の形から,結晶が成長した雲の中のようすが推定できます。このことから「雪は天から送られた手紙である」といいました。
中谷は,目先のことにとらわれず,このような基礎的な研究を行うことが大切であると思っていました。また,多くの人に科学の考え方が重要であること伝えたいと考え,科学にかかわる随筆を残したり,科学映画を制作したりもしました。
中谷が雪の研究をした北海道大学には低温研究所があり,低温環境における自然現象の基礎と応用の研究が行われています。また,出身地である石川県加賀市には「雪の科学館」があります。中谷がはじめた研究や科学を伝える思いは,いまも引きつがれています。