梶田隆章
プロフィール
かじたたかあき
日本
1959年3月9日 ~
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ノーベル物理学賞 (2015年) 「ニュートリノに質量があることを示す,ニュートリノ振動の発見」
おもな業績
- ニュートリノ振動の発見(1996年) ニュートリノがその種類を変える現象を確認し,ニュートリノに質量があることを示した。
解 説
物質は原子でできています。その原子は,原子核と電子でできています。さらに,原子核は,陽子と中性子でできています。陽子,中性子,電子のような,物質をつくる基本的な粒子を素粒子といいます。
ニュートリノは,物質を透過する性質が非常に高い素粒子の1種です。観測するには特殊な設備が必要になります。岐阜県につくられたカミオカンデ,スーパーカミオカンデは,ニュートリノが観測できる装置で,それらを使って研究が行われています。
梶田は,ニュートリノの観測数が理論値よりも少ないことに疑問を感じました。そして,ニュートリノが種類を変えているのではないかと考えました。しかし,カミオカンデの観測データでは,それを示すだけのデータがありませんでした。
1996年に完成したスーパーカミオカンデは,多くのデータを得ることができました。そのデータを分析して,ニュートリノが種類を変えていること(ニュートリノ振動)を発見しました。ニュートリノ振動が起こっていることから,ニュートリノが質量をもっていることもわかりました。
これらの研究によって,梶田は,カナダのアーサー・マクドナルドとともに,2015年のノーベル物理学賞を受賞しました。