福井謙一
プロフィール
ふくいけんいち
日本
1918年10月4日 ~ 1998年1月9日
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ノーベル化学賞 (1981年) 「化学反応過程の理論」
おもな業績
- フロンティア軌道理論の提唱(1952年) 化学反応がどのように起こるかということについて,理論的な解明を行った。
解 説
ファーブル昆虫記が好きな少年でした。また,数学の得意な少年でもありました。大学では化学を学び,さらに量子力学を勉強して,基本的な原理をしっかりと身につけました。そして,化学反応はどのようにして起こるのか,というなぞの解明をめざして研究を続けました。
分子をつくっている原子がもつ電子が,化学反応を左右しています。福井は,電子が存在しているところ(軌道)について研究を行い,フロンティア軌道というものを考えました。そして,化学反応を決めているのは,そのフロンティア軌道であることを示しました(フロンティア軌道理論)。
福井は,この研究によって,アメリカのロアルド・ホフマンとともに,1981年のノーベル化学賞を受賞しました。日本人としてはじめてのノーベル化学賞の受賞です。
なお,福井は,基礎的な研究を大切にし,多くの研究者を育てました。