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りかびんPlus - 野菜で酸素ができる理由

野菜で酸さん素そ

ジャガイモなどの野菜にオキシドールを加えて,酸素をはっせいさせる実験がある。この実験で,野菜はどのような役割を果たしているのだろうか。

オキシドールは,うすい過酸化水素水である。過酸化水素がぶんかいして酸素が発生する。二酸化マンガンに過酸化水素水を加えて,酸素を発生させる実験では,二酸化マンガンが過酸化水素水の分解を促進するぶっしつしょくばいという)になっている。

過酸化水素の分解を促進する物質は,二酸化マンガンだけではない。過酸化水素は,生物にとっては有害な物質である(ただし,有害なぶんさんして無害にするのに利用されることもある)。しかし,細胞内でエネルギーをつくるための反応(酸化)が起こるときに,過酸化水素が生成される。そのため,カタラーゼという過酸化水素の分解を促進する物質(こうの1種)をもつ生物は多い。ジャガイモなどの野菜にもカタラーゼがふくまれているため,過酸化水素水をかけると,過酸化水素が分解して酸素が発生する。