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りかびんPlus - 蒸発・沸騰・気化

じょうはつふっとうは,どれもえきたいたいに変わるときに使われる表現である。これらはどのように使い分けられるのであろうか。

まず気化は,たいからでも液体からでも,気体に変化することをさす。蒸発や沸騰は気化の一種である。そして,固体や液体の表面だけで気化がおこるのが蒸発,液体の内部からでも気化がおこるのが沸騰である。沸騰はふってんでおこる現象であるが,蒸発は沸点以下の温度でもおこる。

液体の内部からでも気化がおこるというのは,次のような状態である。

液体内部で気化がおこり,あわができたとする。しかし,低温では泡のあつが液体をおさえるたいあつ(通常は1気圧)より小さく,泡は大きくなれずにつぶれてしまう。沸点は,はっせいした泡の気圧が大気圧をこえることで大きく成長できる温度である。このとき,液体の内部から気化がおきているといえる。

このことから,あつりょくなべを使うと(大気圧が1気圧のときの沸点よりも)高温で液体を維持できることや,大気圧の低い山の上で100℃以下でも水が沸騰することなどが,説明できる。