りかびんPlus - 電磁波
電磁誘導は,磁界が変化することで,電界(電気の力がはたらく空間)が生じて電流が流れる現象である。実は逆に,電界が変化すると磁界が生じる。電界の変化と磁界の変化がたがいを導きあい,波として空間を伝わっていくのが電磁波である。
電磁波は,身近な存在である。たとえば,テレビや携帯電話で利用されている「電波」は電磁波の一種である。さらに,目で見える電磁波もあり,これは可視光線とよばれる(人間の目は電磁波のセンサーといえる)。通常,「光」とよばれるのは,この可視光線のことである。「電波」と「光」のちがいは,電磁波の波長のちがいに過ぎない。

可視光線の波長のちがいは色のちがいとして感じられる。
そもそも電磁波は,あらゆる物体から出ている。高温の物体に近づくと熱く感じる(皮膚に熱が伝わる)のは,この電磁波を受けるからである。このような熱の伝わり方を「放射」という。白熱電球は,電流で高温になったフィラメントから出る電磁波(可視光線)を照明に利用している。
なお,放射される電磁波の波長には広がりがあるが,高温の物体ほど短い波長の電磁波をより強く放射する。この法則のおかげで,物体が出す電磁波の波長から,その物体の温度を知ることができる。身近なところでは数秒で体温を測れる耳式体温計,科学の世界では恒星の温度を知るのに(赤みがかった星は低温,青白い星は高温),この法則が使われている。