理科便覧ネットワーク

重じゅう力りょくというと，地球が地球上の物ぶっ体たいを地面へ引く力，というイメージがあるかもしれない。しかし，実際には，地球と地球上の物体とは，お互いに引き合っているといった方が正確である。つまり，リンゴが落下するときは，リンゴだけが動くのではなく，地球も動いているのである。ただし，地球の動きは非常にわずかであるため，通常は，「重力は，地球の中心に向かってはたらく」と理解される。

2つの物体（地球とリンゴ，など）の間にはたらく重力の大きさは，2つの物体のもつ質しつ量りょうの積に比例する。質量の大きな物体ほどはたらく重力の大きさ（重おもさ）が大きいのも，この関係があるためである。

「重力の大きさは，2つの物体の質量の積に比例する」ことからわかるように，実は，身のまわりのさまざまな物体どうしも引き合っている。ただ，身のまわりの物体は地球と比べると圧倒的に質量が小さいため，間にはたらく引き合う力は非常に弱く，通常は無視される。

なお，質量の大きな物体ほどはたらく重力の大きさは大きいが，質量の大きな物体と小さな物体を同時に落下させた場合には，空気抵抗を無視できれば，同時に地面につく。質量の大きな物体ほど動きにくいためである。