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りかびんPlus - クローン

まったく同じ遺伝情報をもつでんさいぼうたいをクローンという。たとえば,同一のじゅせいらんから生じるいちらんせいそうせいや,せいせいしょくでうまれた個体はクローンである。

クローンをつくる技術には,受精卵からつくる受精卵クローン(せいしょくさいぼうクローン)と,たいさいぼうからつくる体細胞クローンがある。これらの技術により,有用な性質(肉質など)をもつ家畜を大量にふやすことが可能になる。

しかし,体細胞クローン技術によってうまれた牛は死産,もしくは誕生直後に死亡する率が高いことから,現在,食品としての安全性について研究されている。内閣府の食品安全委員会の作業部会は,2009年1月,体細胞クローン技術によってうまれた牛も,生後6か月以上成長していれば,通常の牛と同様であり,安全性に問題はないと報告している。