ハンムラビ法典の特色

<設問> ハンムラビ法典の特色を2つ書きなさい。

(参考:2022年東京大学、2023年東北福祉大学ほか)

資料集のココを見る! 「アカデミア世界史」p.63

①傷害に対して同じ傷害を加える「目には目を、歯には歯を」という同害復讐の原則を読み取ることができる。

②一方で、自由人・下層民・奴隷など、身分によって刑罰や賠償額が異なっている。 ハンムラビ法典が単に公平な法律ではなく、身分差を認めた社会の法律であったことが分かる。

  • ハンムラビ王と太陽神シャマシュ

③王が神から法を授かった姿は、法によって社会を統治する王権の正当性を示している。

解答例

ハンムラビ法典の特色は、第一に、「目には目を、歯には歯を」に代表される同害復讐の原則を含んでいることである。第二に、自由人・下層民・奴隷などの身分によって、刑罰や賠償の内容が異なる身分差を反映していることである。

解答・自己採点のポイント

この問題は「特色を2つ」答える問題なので、二つの内容を明確に分けて書く必要がある。

解答条件の確認

必須条件

注意! 「世界最古の法律」では不十分。ハンムラビ法典以前にも、ウル=ナンム法典などの法典が存在していた。また、ハンムラビ法典は身分による差を前提としていたため、「すべての人を平等に扱った法律」とするのも誤り。

ランクアップ!応用視点

本誌史料コラム内の解説を参照。

設問によっては、第二の特色として「民法・商法・刑法など、社会生活を幅広く規定したこと」や「成文法として王が社会を統治したこと」が評価される場合もある。大学の公式解答がある場合は、それに合わせて優先順位を確認しよう。

設問の背景

ハンムラビ法典は、メソポタミア文明の社会制度と王権を理解するうえで重要な法典。ティグリス川・ユーフラテス川流域では、都市国家や王国が成立し、農業・商業・債務・家族関係などをめぐる争いが生じた。そこで王は、社会の秩序を維持するためにさまざまな規定を整備しました。

入試では、法典そのものの知識だけでなく、史料を読んで「同害復讐」「身分差」「王権による秩序維持」を読み取らせる問題が出題される。また、古代中国の法家思想、ローマ法、近代の法の下の平等などと比較させる問題にもつながる。

深堀り!資料解説

ハンムラビ法典は、バビロン第1王朝のハンムラビ王が制定した法典で、黒色の石碑にアッカド語・楔形文字で刻まれた。碑の上部には、王が正義の神シャマシュから法を授かる場面が描かれている。これは、王の法が神に認められた正しい秩序であることを示す王権の宣伝でもあった。

また、法典は近代的な意味での「すべての法律を一つにまとめた法典」ではなく、具体的な事件に対する判決や規定を集めたものと考えられている。「世界最古」ではなく、「現存する古代法典の代表例」と理解しよう。