中学生のための国語のおすすめ50冊

詩歌

PHP研究所

大倉崇裕(おおくらたかひろ)

〈注目！新感覚の落語ミステリー〉

「君，いい名前をしているねぇ。」大学に入学した越智健一(おちけんいち)は，落とした学生証を拾ってくれた岸という人物に声をかけられた。「決めた。君でいいや。ついてきて。」―ついていった先は，落語研究会，通称「落研」の部室。

冗談じゃない。「越智健一（おちけんいち）」が「落研（おちけん）」なんて，それこそ出来の悪い落語じゃないか。何よりも僕は，落語なんて一度も聞いたことがないのに。しかも僕がやめたら，落研はつぶれるって…。

落研の救世主となってしまった越智健一。彼の身の回りで起こる不可解な事件。その事件を越智は，次から次へと解決…できるはずもない。だって僕は普通の大学生だもの。

落語に興味のない人も，「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ…」は聞いたことがあるでしょう。その「寿限無(じゅげむ)」を語る幽霊がいるとなれば，興味がわいてきませんか？

主人公のオチケンと一緒に楽しみながら落語に詳しくなる，そんな二本立て。読み終わるころにはあなたも，落語のとりこになっているかもしれませんね。　　(Ｓさん)