中学生のための国語のおすすめ50冊

狐笛(こてき)のかなた

狐笛(こてき)のかなた

小説

新潮社

上橋菜穂子(うえはしなほこ)

<どこかなつかしい場所の物語>

近年,日本はどこも都会化し,人工物のない場所はなかなかありません。しかし,日本人ならだれもが「夕風の渡る野」になぜか郷愁(きょうしゅう)を覚えるのではないでしょうか。これは,そんな「どこかなつかしい」場所で起こる,人の心が聞こえる12歳の少女と,この世とあの世の<あわい>にすむ子狐(こぎつね)の物語です。

作者は『精霊の守り人』を始めとする「守り人」シリーズで有名なファンタジー作家です。わかりやすい文章で書かれていることに加え,「守り人」シリーズと異なり,日本を舞台にしていることから,この本は,これからファンタジーを読んでみようという人にはぜひお勧めしたい一冊です。(Hさん)