中学生のための国語のおすすめ50冊

運命の海に出会って レイチェル・カーソン

運命の海に出会って レイチェル・カーソン

記録

ぽるぷ社

マーティ―・ジェザー(山口和代訳)

<内気な文学少女が,強大な権力と闘えたのはなぜ?>

今から40年も前に,農薬が自然環境にあたえる恐ろしい影響について,地球上の全ての生物の生死に関する問題と考えて真正面から世に投げかけた『沈黙(ちんもく)の春』。「自然破壊は社会が進歩するうえで避(さ)けられない代償(だいしょう)である」という考え方を,著者レイチェル・カーソンは決して受け入れようとしなかったのです。

利権がらみの社会的な圧力の数々に負けることなく,この歴史的な一冊を書き上げたレイチェル・カーソンとは,一体どんな女性だったのでしょうか。その人となりについて,特に若いころを中心にして,その背景となる当時の社会状況も結びつけながら描かれています。さて,物静かで内気な文学少女の一体どこに,強大な権力を敵にまわして闘(たたか)う勇気があったのでしょうか……。(Oさん)