中学生のための国語のおすすめ50冊

広島第二県女二年西組

広島第二県女二年西組

随筆

筑摩書房

関千枝子(せきちえこ)

<原爆(げんばく)で生き残ったものは,みな負い目を持って生きているんです>

1945年8月6日に広島市雑魚場(ざこば)町で,建物疎開(そかい)作業に動員されていた広島第二県女二年西組の女生徒たちは被爆(ひばく)しました。その原爆で死んだ級友たちの死までの足どりと最期(さいご)の姿を求めて,8月6日から15日までを再現した記録がこの本です。顔も身体も真っ黒に焼けて,水を求めながら亡くなっていった級友たち。水を欲しがった妹に,飲ますと死ぬと言われて,ついに水をやらなかったと自分を責める姉。被爆したヒロシマが,「一人一人を人間として書きたかった」という筆者の視点で,浮かび上がってくる記録集です。一度はぜひ読んでおきたい本です。(Wさん)