中学生のための国語のおすすめ50冊

夜のピクニック

夜のピクニック

小説

新潮社

恩田陸(おんだりく)

<ただ歩き続けるだけの一日が,忘れられない一日になる>

「夜のピクニック」は,秋の一日(正確には一泊二日)に1200名余りの高校生が,夜通しかけて80キロの道のりを歩く「夜間歩行」という行事のことです。友達同士でたくさんのことを話したり,考えたり,感じたりしながら,ひたすら歩く……。そのうちに体は疲れで言うことを聞かなくなり,思いがけない出来事も数々起こって……。登場人物が高校生なので,悩み方がちょっと大人びて,考えすぎだと感じられるかもしれません。でも,この作品に描かれた人たちの真剣さや友情って,とてもステキだと思います。

「純粋に真剣に考える」って「青春の特権」のように言われることがありますが,本当は年なんか関係なくいつまでも大切なんです。(Sさん)