なぜ光は屈折する?
光の速さが物質によって変わるから!
棒をもって行進する人々が、舗装された道路から砂浜に斜めに進むとき、砂浜では道路よりも歩く速さが遅くなります。歩く速さがちがうため、砂浜と道路の境界で進行方向は曲がります。

光の屈折も同様に、光の進む速さが異なる物質の境界で起こります。たとえば、空気中を進む光がガラス中に斜めに入る場合、空気中よりガラス中の方が光は遅いため、光は境界面から遠ざかるように曲がります。光が進む速さが遅くなる場合、屈折角は入射角より小さくなり、境界面から遠ざかるように屈折するのです。逆に、ガラス中を進む光が空気中へ斜めに出る場合のように、光の進む速さが速くなる場合は、屈折角は入射角より大きくなり、境界面に近づくように屈折します。
なお、屈折の度合いを示す値を屈折率といいます。
屈折率が大きな物質ほど、空気中から光が入ったときに大きく屈折し、全反射が起こる臨界角は小さくなります。
宝石のダイヤモンドは、屈折率が非常に大きく臨界角が小さな物質です。そのかがやきは、カットされたダイヤモンド内で起こる全反射に由来します。
参考
水:屈折率1.3、空気に対する臨界角49°
ダイヤモンド:屈折率2.4、空気に対する臨界角24°