アクティブ地理 インタビュー特集

チュニジア

カリル・モスバフ さん
(خليل مصباح さん)
(Khalil Mosbah さん)

首都:チュニス
人口:1220万人(2023年)
面積:16.4万km2(2022年)

アラビア語のあいさつと自己紹介

フランス語のあいさつと自己紹介

インタビュー

かつてフランスの植民地であり、植民地時代のフランスの建物がたくさんあります。
一方、チュニジアの宗教はイスラム教です。そのため、伝統を重んじるイスラムの文化とフランスのモダニズムが混ざり合っています。

チュニジアでは、アラビア語とフランス語のどちらも話します。
両方の言語が混ざり合っていて、文脈ごとに二つの言語を同じくらい使います。
ビジネスシーンなどでは、状況に応じてどちらかを使い分けます。
わたしにはフランス人の友人も多く、両親もフランス語を混ぜているので、フランス語を少し、アラビア語を少し…という感じです。

子どものころ、フランスのテレビでよく放送していた日本のアニメを観て、日本語に興味を持ちました。日本語の響きがとても好きです。アニメだけでなくマンガも読みました。
作品の影響で、日本に対してとても良い印象を持ちました。
多くのチュニジア人にとっても、日本人は「規律正しくて勤勉」というイメージです。

コンビニが24時間営業していることです。
チュニジアや以前住んでいたヨーロッパの地域では、午後10時か11時過ぎにはお店が閉まります。24時間営業で年中無休のお店は非常に珍しく、とても驚きました。
買い物から支払いまで、コンビニに行けばほとんどの用事を済ませられるので、とても便利です。
ほかに驚いたことは、英語を話せる日本人がなかなか見つからないことです。日本の大学でも英語を話せる人はごくわずかです。

北部の大都市では気候はイタリア南部と同じ地中海性気候で、西洋の服を着ています。南部にはサハラ砂漠があり、砂や荒れた乾燥した気候から身を守るため、ゆったりとした伝統的な衣装を着ています。

チュニジアはイスラム教の国ですが、西洋と同じ世俗的な考えの人もおり、半々くらいの割合です。母は毎日5回の礼拝をおこないますが、父は行いません。
チュニジアでは、国家と宗教が分離されています。
北部はより世俗的で、南部はより宗教的な人々が多いです。

キリムという伝統的な織物が数多くあります。
オリーブオイルの輸出もさかんで、とても品質が良いです。北部にはオリーブ畑が広がっています。
また、ナツメヤシの輸出もさかんです。砂漠気候で育つナツメヤシは、南部に多く見られます。

チュニジアの食事は、フランスの植民地であった影響を大きく受けています。
パンをよく食べますね。朝食でも食べますし、スープや鍋料理とも一緒に食べます。
ほとんどの料理に肉が使われていて、子羊の肉とチキンをよく食べます。チュニジアはイスラム教の国なので、日本とは違って豚肉はほとんど食べません。
ほかにも、トルコの影響でBaklava(バクラヴァ)などの焼き菓子を食べます。

一番の誇りはチュニジアの人々です。
人々の振る舞いといいますか、会話時の姿勢や感情がとても魅力的です。
チュニジアでの生活は困難や格差があり、とても貧しい人もいれば裕福な人もいます。しかし、互いの立場に違いがあっても興味深い対話ができます。
また、チュニジアの多様な文化も誇りです。
チュニジアが多くの文明を経験し、多くの文化の影響を受けてきたことによる、多様な人々や言語、建物は、チュニジアを個性あふれる場所にしています。

日本の学生は、失敗を恐れる人が多いです。
しかし、できるだけたくさん失敗しましょう。失敗の数だけ得られる学びは、必ず将来役に立ちます。
また、英語の勉強をお勧めします。実際に、わたしが旅行先の文化を体験するにあたって、英語を話せるということがとても役に立ちました。 失敗を恐れて英語で話すことをためらうかもしれません。しかし、失敗こそが上達への道です。