アクティブ地理 インタビュー特集

イラン

アユブ・シャリフィ さん
(ایوب شریفی さん)
(Ayyoob Sharifi さん)

首都:テヘラン
人口:7508万人
面積:162万8800km2

ホラミ語の自己紹介とあいさつ

インタビュー

イランは広いので,地域によって気候もさまざまです。カスピ海沿岸にあたる北部は,日本のように湿気があり,森で覆われています。中央部や東部はさばくです。西部・北西部は山岳地帯で,冬は厳しく,雪が降ります。そういえば,標高5671mのダマバンド山(Damavand)は,日本の富士山と形がよく似ているんですよ。
わたしはイラン西部のパーベ出身ですが,冬には雪が降ります。四季があって,冬は12~2月,春が3~5月,夏が6~8月,秋が9~11月です。日本と似ていますが,夏は日本ほど暑くならないし,湿度も高くなりません。雨は春と冬,秋の最後の月である11月に多いです。夏は,1~2回しか雨が降りません。

わたしはクルド人で,わたしたちの宗教はイスラム教です。わたしの名前の「アユブ」は,イスラム教の預言者の1人の名前です。イスラム教は生活と深く結びついています。
たとえばイスラム教の教えでは,料理に使ってはいけない材料があります。具体的には,豚肉や豚肉を使った製品,不適切な方法で殺された動物,アルコールのように人を酔わせるあらゆるものを含む飲料,肉食動物,猛禽類,そして,これらのいずれかによって汚染された製品は,料理に使うことができません。こうした使ってはいけない材料を使っていない食品を,ハラールといいます。ほとんどの人は,ハラールの材料を使って準備された食事しか食べません。

ラマダンの月(イスラム暦9月)は,日の出から日没までの間,食べたり飲んだりしてはいけないというルールがあります。こうした生活の厳しいルールに対して,なかには不満をもつ人もいます。

ラマダンの月には,街は飾り付けられ,各家庭ではこの月のためにさまざまな準備をします。多くの人々は,ラマダンの月に断食をすることで,世俗的な活動から解放され,心がきれいになると信じています。実際,ラマダンの月には,犯罪がかなり減りますし,逆に慈善活動が増えます。
また,ラマダンの月には,食事の内容が変わります。デーツ(なつめやしの実)をふだんよりもたくさん食べます。また,豆・たまねぎ・にんにく・肉などを入れて,ハーブ・塩・こしょうで味付けしたアッシュというスープも,とても人気があります。

石でできています。屋根は,木と粘土です。余談ですが,クルド語で「ヤネ(Yane)」は,「home」の複数形「homes」をさし,家という意味があります。

日本人は働き者で勤勉,そしてクリエイティブな人々として知られています。いつも新しいものを発明しますね。私は事前に日本のことを勉強してからここに来たのですが,日本の文化が好きです。

チェロケバブです。チェロとはごはんのことで,チェロケバブとはごはんに牛肉が添えてある料理です。イランでは,チェロケバブと,ごはんにチキンを添えるチェロジュジェが最もポピュラーな料理です。また,ホレシュもよく食べます。肉や野菜,豆などを煮込んだシチューのような料理です。わたしたちはこれをごはんの上にかけて食べます。北部や南部の沿岸地域では,魚も食べます。

イランには,古い歴史と文明があります。それが誇りです。わたしたちイランの人々は,独立していて自由であるという意識があります。イランの人々は,歴史の中で,常にそれら(独立と自由)を維持しようと努力してきました。日本の中学生のみなさんも,日本の豊かな文化にもっと注目し,大切にしてほしいと思います。