物質量と生物学

1.アボガドロ数

NSchem046-1A

12C 12gに含まれる12C原子の数をアボガドロ数という。

アボガドロ数N=12/(1.993×10-23)≒6.02×1023(個)

したがって,
アボガドロ数個の12Cの質量=(原子量)[g]=12[g]

さらに,原子・分子の質量(原子量・分子量)は,12Cの質量を12と定め,これを基準として表される。したがって,ほかの原子や分子についても,次の関係が成り立つ。
アボガドロ数個の原子・分子の質量=(原子量・分子量)[g]

2.物質量とモル(mol)

NSchem046-1B

アボガドロ数個の粒子の集団を1モル(記号:mol)といい,molを単位にして表した物質の量を物質量という。物質量と質量の間には,次の関係が成り立つ。

n molの物質の質量=n×アボガドロ数個の原子・分子の質量
n×(原子量・分子量)[g]

特に,物質1mol当たりの質量を,モル質量という。

 分子量18の水H2Oのモル質量は,18g。水H2O 2molの質量は,2×18=36[g]。

なお,単位物質量(1mol)当たりの粒子の数6.02×1023/molをアボガドロ定数NAという。したがって,
物質量[mol]=粒子の数N/アボガドロ定数NA[/mol]

3.物質量と気体の体積

一般に,同温・同圧・同体積の気体中には,気体の種類とは関係なく,同数の分子が含まれる(アボガドロの法則)。 たとえば,0℃,1.01×105Paの気体22.4Lに含まれる気体は,1molである。

なお,気体1molが占める体積を,モル体積という(0℃,1.01×105Paの気体のモル体積は22.4L)。

 0℃,1.01×105Pa ,44.8Lの酸素の物質量は,44.8/22.4=2[mol]

4.物質量と他の物理量

化学変化の量的関係は,質量や体積よりも,原子・分子などの粒子数の比で考えると,化学反応式との対応がつけやすく,わかりやすい。物質量は,実際に測定される質量や体積を粒子数と結びつけることができるので,化学変化の量的関係を考えるのに利用される。

NSchem047-5


生物学との関わり

代謝など,生体内で起こる様々な化学反応を量的に考えるときに,物質量が利用される。また,水溶液の濃度が,モル濃度(=溶質の物質量/溶液の体積)で表されることがある。