呼吸の収量

呼吸の全反応により,グルコース1分子からATPが38分子生成するとよく書かれている。しかし,これは理論上の値である。以下のような理由により,実際の収量はもう少し小さい。

  • 解糖系で生じたNADHを,クレブス回路の働いているミトコンドリア内へ輸送するエネルギーとしてATPが使われるから。
  • 膜間部分の水素イオンがミトコンドリア内膜から漏れ, ATP合成酵素を通らずにマトリックスへと戻ってしまうから。
  • マトリックスと膜間部分の間の水素イオンの濃度勾配は,ATPの合成以外の目的にも使われるから。

以上の理由により,グルコース1分子から実際に生成するATPは,30分子程度と考えられている。