ニワトリが先か,タマゴが先か

ニワトリが先か,タマゴが先か。
ニワトリがタマゴを産むのだから,「ニワトリが先」だ。
いやいや,タマゴからニワトリが生まれるのだから,「タマゴが先」に決まっている。
……難しい問題ですね。みなさんはどちらだと思いますか?

長年議論されてきたこの難題に,昨年新たな展開がみられました。
2010年7月14日,イギリスの研究者たちが発表した論文を受けて,各国のメディアは「長年の謎がついに解決。タマゴよりもニワトリが先であった。」と報じました。

この論文とは,卵殻の結晶化を促進させるタンパク質についてのものです。
研究者たちはまず,“ニワトリの卵巣”と“タマゴの殻(卵殻)”に共通に存在するovocleidin-17(OC-17)というタンパク質に着目しました。そして,スーパーコンピューターを使って卵殻の形成の過程をシミュレーションし,OC-17が卵殻の形成にどのような作用をしているのかを調べました。
その結果,OC-17 が卵殻の形成を促進させる働きがあることを解明しました。さらに,ニワトリの卵巣にOC-17 が存在しないと卵殻が形成されず,タマゴができなくなることも分かりました。

この研究結果から,ニワトリがOC-17 をもたないと卵殻ができない,ニワトリがいないとタマゴができない,つまり「タマゴよりニワトリが先である」ともいえるわけです。

ただし,研究者たち自身はメディアの報道に対して,この研究はニワトリとタマゴどちらが先かという謎を解明するためのものではない,と釘をさしています。
今回の発表は,「ニワトリが先か,タマゴが先か」の決定的な答えであるとはいえないようです。この難題が解明される日はくるのでしょうか。

参考ページ:ウォーリック大学 プレスリリース