ナメクジウオがヒトの祖先?

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ナメクジウオ

ナメクジウオのゲノム解読が完成し,ヒトも含まれる脊つい動物の祖先が,ナメクジウオのなかまであることがわかりました。

ナメクジウオには脊索があり,それが頭の先まで通っています。ヒト(脊つい動物)にも,発生の過程で脊索が生じ,それが脊ついに変わります。実は,ナメクジウオもヒトも同じ脊索動物のなかまなのです。

ホヤという動物も,幼生の尾に脊索があり,脊索動物のなかまです。脊索動物には,ヒトのような脊つい動物,ナメクジウオやホヤのような原索動物がいて,さらに,ナメクジウオのなかまを頭索動物,ホヤのなかまを尾索動物といいます。

これらのなかまが,どのように進化してきたかは,ダーウィンのころからの疑問でした。ホヤがより原始的と思われていたので,ホヤに近いなかまから頭索動物や脊つい動物が進化したと考えられていました。

しかし,今回のナメクジウオのゲノム解読で明らかになった遺伝子を,先にゲノム解読が進んでいたホヤや脊つい動物のなかまと比較解析することにより,ナメクジウオに近いなかまから,尾索動物や脊つい動物が進化したことが明らかになったのです。

 

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さらに,脊索動物に共通の17の染色体が見出され,脊つい動物にはそれらがそれぞれ4つあることがわかりました。そのことから,頭索動物から脊つい動物へ進化する過程で,全ゲノムが2回複製されたことも示され,進化の過程で全ゲノムが複製されるという仮説(大野乾,1970)の裏付けにもなりました。

【参考ウェブ】ナメクジウオゲノム解読の成功により脊椎動物の起源が明らかに(京都大学)