オオイヌノフグリ

01ヨーロッパ原産で明治時代に移入した帰化植物。日本以外にも世界中に帰化している。道端やあぜ道など,日当たりのよいところに多く生育する。よく似た在来種のイヌノフグリは花が小さく,近年減少している。 茎は枝分かれして地上をはって広がり,長さは15~30cmになる。

卵形で,縁に大型で鈍いきょ歯がある。両面とも毛が散生する。茎の下部では対生するが,上部では互生する。

春先から直径約1cmの青い小さな花が咲き始める。花冠は直径7~10mmの皿形で青く,濃い青色の筋がある。中心は黄色。触れるとかんたんに抜け落ち,このとき自家受粉をする。草丈が低いため他の植物が成長すると埋もれて目立たなくなる。

見分けのポイント

タチイヌノフグリやイヌノフグリに比べて花が大きい。

クスノキ

01本州(関東地方南部以西)から九州の暖地に分布する常緑高木。これが野生のものであるかは不明で,中国原産とも言われる。公園や神社などによく植えられていて,巨木も多い。木全体に芳香がある。古くから,材を彫刻や器具の材料としたり樟脳をとり薬用としたりする。 樹皮は細かく縦に裂け,灰褐色。樹高は30mほどに成長する。葉は卵形から楕円形で全縁。5-6月に円錐花序に黄白色の花を咲かせる。果実は球形の液果で,黒く熟す。

卵形から楕円形の葉を互生する。葉縁は全縁でやや波打つ。三行脈が特徴。光沢があり,革質。 常緑樹であるが葉の寿命は1年で,前年の葉が落ちる春頃に新しい葉が生える。表面の主脈の分岐部にある小さなふくらみにはダニの一種が寄生している。

5-6月に葉腋から円錐花序を出し,黄色の小さな両性花をつける。おしべの葯は4室ありルーペでのぞくとおもしろい。

キョウチクトウ

インド原産の常緑低木で,日本には江戸時代に観賞用としてもちこまれた。暖かいところで生育し,庭や公園に植えられる。大気汚染や乾燥に強いため,街路樹としても用いられる。 葉は狭長楕円形で3枚1組で輪生する。7-8月に集散花序を出し,淡紅色など様々な色の花を咲かせる。有毒植物。

長さ10-20cmの線状披針形の葉を3輪生させる。厚い革質で,葉縁は全縁。羽状の平行脈がある。

7-8月になると,枝の先に集散花序を出す。花冠は下部が細い筒状で,上部は5つに分かれて平開する。色は紅色,白色など様々な品種があるが,ふつう紅色八重咲きのものが多く,果実ができない。

ヒメジョオン

北アメリカ原産の帰化植物。江戸時代末期に観賞用としてもちこまれたものが野生化して,日本各地の道端や荒れ地などに広まった。芽がでるのは秋頃で,茎がなく葉を地面に広げた状態(ロゼット)で冬を越す。全体に毛がある。

根生葉は卵形で,長い柄を持つ。開花中は根生葉がない。茎葉は披針形で,ほとんど柄はなく,茎を抱かない。根生葉には大きな鋸歯があるが,茎葉は鋸歯があるものとないものがある。

春から秋にかけて,分枝した茎の先に頭花が多数咲く。花は直径2cmほどで,舌状花は白色または淡紅色で,管状花は黄色。舌状花は細く多数。

見分けのポイント

ハルジオンによく似ているが,ヒメジョオンは茎が中空ではない,葉が茎を抱かない,つぼみが垂れない,花期が長いなどの特徴で区別できる。

ヒマワリ

北アメリカ原産,観賞用として栽培される一年生植物。高さ1.5~2mぐらい。ヒマワリといっても,太陽の動きにあわせて花が回転することはない。

心臓形で長い柄をもち,互生する。葉縁はあらいきょ歯がある。

夏に茎の先に鮮やかな黄色の花が咲く。花は直径30~50cmで,周囲を黄色の舌状花がとり囲み,中央に小さな管状花が密集している。