アンペール
プロフィール
André-Marie Ampère
フランス
1775年1月20日 ~ 1836年6月10日
おもな業績
- 電流による磁界の研究(1820) 電流とそのまわりにできる磁界との関係を示した(アンペールの法則)。
解 説
アンペールの父は,アンペールが自由に学べるようにしました。その中で,さまざまな分野に興味を持ち,当時の百科事典「百科全書」を14歳ですべて読んでしまいました。さらに,数学や物理学を学び,18歳になる頃には,数学の研究成果のほとんどを学び終えたと言われています。
その父は,フランス革命に反対したため投獄され,アンペールが18歳のときに処刑されてしまいます。そのため,アンペールはしばらくは落ち込み,無気力になってしまったこともありました。しかし,また学問への興味をとり戻し,さまざまなことを学びました。
しばらく,数学や化学の教師をしていましたが,人のすすめで大学に職を得て,さらに数学の教授になりました。そして,確率論などの研究をしました。その頃,『賭け事についての数学理論考察』という書籍を残しています。
1820年,デンマークの物理学者であるエルステッドが,電流が流れている導線の近くで,方位磁針が動くことを発見しました。このことを知ったアンペールは,この現象に興味をもち,電流とそのまわりにできる磁界との関係を研究しました。磁針が動く方向が,電流の向きに関係していることを発見し,この研究についての論文を同じ年に発表しました。
ねじの進む向きに電流が流れると,ねじを回す向きに磁界ができる。この法則(右ねじの法則)は,アンペールの成果です。また,アンペールは,電気,電流,電圧ということばを最初に使いました。電流の向きを+からーに流れるとしたのもアンペールです。
電流の単位「A(アンペア)」は,アンペールの名前からつけられました。