「読書案内」カテゴリーアーカイブ

遺伝子が明かす脳と心のからくり

9784897068824石浦章一著
羊土社

2004年発行

遺伝子はアミノ酸を指定しているだけではない?私たちの行動は、遺伝子に支配されている!?そんな新たな視点を与えてくれるのがこの本。「不安解消に効く遺伝子」,「記憶力を高める遺伝子」,「遺伝子が操る行動」など,興味深い話題が満載。また講義録の形式をとっており,大学の講義風景を垣間見ることができる。

 

がんというミステリー

978416660447X

宮田親平著
文藝春秋(文春新書)

2005年発行

がんは多くのなぞをもつ病気だった。なぜ増殖を続けるのか,なぜ浸潤し転移するのか。100年以上のがん解明の歴史を,さまざまなエピソードとともに紹介する。

がんの研究には,細胞周期,遺伝子の働き,免疫のしくみなどが深くかかわる。これらのなぞ解きをミステリーに仕立てた。

iPS細胞−ヒトはどこまで再生できるか?

9784534043849田中幹人編著
日本実業出版社

2008年発行

iPS細胞について,ES細胞との違いにも触れながらわかりやすく説明する。また,研究チームがiPS細胞をつくるまでの過程を,関係者のことばを交えながら伝える。後半では,日本における研究環境の課題も示す。さらに,再生医療の恩恵だけでなく,それが社会に与える影響についても触れる。治療を超える再生医療はどこまで許されるのかという新たな課題も提示する。

なぜなぜ生物学

9784807907458日本分子生物学会編
東京化学同人

2010年発行

「遺伝子とパソコンソフトはどこが違うのか?」「どうして心臓は左にあるの?」「クジラはどこから来たの?」などの素朴かつ本質的な疑問に,研究者が丁寧に答えてくれる一冊。

おもに家族内の会話という設定でつづられており,身近な話題を通して明快に答えが出されていく。

 

植物の生存戦略

9784022599216
「植物の軸と情報」特定領域研究班編
朝日新聞社(朝日選書)

2007年発行

動かないという生存戦略で多種多様な植物が地球上に繁栄している。発生,花芽形成,生殖,共生,進化,ホルモンなど,さまざまな視点から10名の研究者が植物に迫る。

花芽形成を起こすフロリゲンの研究,トレニアを使った重複受精の研究など,最新の話題も掲載されている。

遺伝子できまること、きまらぬこと

9784785387099中込弥男著
裳華房(ポピュラー・サイエンス)
1999年発行

近年,病気や形質に関わる多くの遺伝子が見つかってきた。実際に現れる形質のうち,どこまでが遺伝子によって決まるもので,どこからが環境の影響を受けるものなのかを検証する。「肥満の遺伝子」,「男と女の遺伝子の違い」,「生活習慣病と遺伝子」,「遺伝するがん」などをテーマに,身近な現象と遺伝子の関係を明らかにしていく。

それらを踏まえ,ポストゲノム時代の医療のあり方に言及する。

DNA

9784062121729ジェームズ・D・ワトソン/アンドリュー・ベリー著
講談社
2003年発行

DNAが二重らせん構造であることを発見したワトソンの著書。遺伝子を軸に,生物学の歴史を紹介している。メンデルの遺伝に関する実験からヒトゲノム計画までを,関わった研究者達の細かな人物描写を交えて書く。研究者の日常を収めた写真も豊富である。

 

生物と無生物のあいだ

9784061498914福岡伸一著
講談社(講談社現代新書)
2007年発行

動的平衡の考えをもとに,生命のしくみを解説する。エイブリー,ワトソン,クリック,ウイルキンスなど教科書に登場する科学者のエピソードも。

タンパク質をジグソーパズルのピースにたとえ,生命活動の本質を解説する。著者の行った研究の紹介もわくわくさせる。

新しい発生生物学

9784062574105木下圭/浅島誠著
講談社(ブルーバックス)
2003年発行

1つの受精卵が分裂をくり返して,複雑な個体をつくる。そのしくみを探るのが発生生物学。細胞を観察するだけでなく,どんな物質や遺伝子が働いているかを調べ,細胞どうしのかかわり合いを知る。

アクチビンの誘導現象を発見した著者らが,最新の成果とともに発生のしくみを解説する。

遺伝暗号のナゾにいどむ

9784005005604岡田吉美著
岩波書店(岩波ジュニア新書)
2007年発行

メンデルにはじまり,遺伝暗号表の完成までを中心に解説。さらに,最終章ではその後の分子生物学についても。

教科書にも登場する科学者をはじめ,当時の若い研究者たちが,どのように考え,工夫してその研究を行ったか。教科書ではその成果を学ぶのみだが,この本にはそこにいたるまでのドラマがある。